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デイサービス開業・独立の留意点

デイサービス開業

 日本は、今後更に高齢者の人口が増加することを見込んで、社会貢献、自己実現の場として、新規事業を立ち上げるならデイサービスと、現在病院・診療所また異業種(接骨院、菓子製造など)からも注目を集めています。やり甲斐を感じるからと、安易に介護業界に参入すると、『利益が出ず、儲からないからやめる』というように、すぐに廃業の危機に直面してしまうケースも多数あります。

 そこで、今後デイサービスの中でもリハビリデイサービスの立ち上げをお考えの方へ、開業・独立に必要な準備や手順、留意点について詳しくご紹介します。

リハビリデイサービスとは、どのようなもの?

 介護保険を使ったデイサービスで、運動機能訓練のサービスを提供するが、必ずしもリハビリの専門職が必要な訳ではありません。リハビリテーションのステージは、要介護認定を受けた方々を対象に、主治医が「心身機能の維持と回復、日常生活継続の為のリハビリが必要」と認めた方がサービスの対象者。また要介護認定を受けた方の中でも、介護度が軽度~重度の方がいるため、大きく3つに分かれています。主に医療保険を使ってリハビリする「急性期」「回復期」、医療保険では十分なリハビリが受けられなくなった「維持期・慢性期」の方々に対して、医学的エビデンスを用いて、リハビリを提供するのが、リハビリ型デイサービスの役割です。

 一日型・半日型(午前or午後)とあり、サービス内容として、レクレーションを行うデイサービスと大きく異なるのは、利用者一人一人にあった、リハビリプログラムがあることです。プログラム内容の例として、座位のままで行う太極拳、パタカラ体操など、施設によって内容は異なります。ご自身のペースで、マシンなどを使用し、運動をしながら、身体機能維持・身体機能改善を図って頂くサービスです。

デイサービスは、どうやったら黒字化するのか?

理想的な黒字化のための「知識・スキル」

 多くの施設サービスは、(1)経営重点指標 (2)施設の強み(3)先行管理収支 を活用することによって、赤字経営を計画的に黒字安定化できます。事実、開業時点で毎月200万程度の赤字(予定通り)でしたが、黒字化できる根拠があったため、起業後すぐ経営計画通り、2店舗目の出店ができました。※もちろん、両店舗とも短期間で黒字化しています。

赤字の6つの理由

  • 損益分岐を超えるだけの利用者契約を確保できていない
  • 利用者都合、ご家族都合による休みが多く、出席率が低い
  • 出席率が低いため、見込み月間利用者数(集客数)と実績数にギャップが生まれる
  • 従業員の労働環境や福利厚生が悪いと、従業員の定着率が低く、コストが安定しない
  • 従業員が定着しないから、利用者の利用中止が相次いで、利用実績が落ち、売上が下がる
  • コストは雇用・人件費・給与や家賃はじめ、ほぼ固定に近いので、売上収入減分は、確実に利益減につながる

計画的に黒字化する方法

 机上で黒字にするのは簡単です。コストよりも売上を上げる。売上が低ければコストを下げる。契約人数×月間平均利用回数(要介護)×利用平均単価×出席率>コスト(人件費、家賃、一般経費等)予約表で人数を確保できても、誰も来なければ、売上はゼロです。

実際に黒字化(収益化)する方法

 実際に損益分岐のバランスをとるためにはどうしたらいいのか。それは、従業員一人一人に、何のために今の仕事をしているか?の目的共有することが従業員定着への第一歩です。利用者様が何のために通所されて、利用者様が、元気になって充実した日々を過ごすためにどうするか?の一点に対し、全力を注げる従業員育成・サービスの優位性が成功の秘訣となります。

  • 利用者様が達成したい目標(可能な限り在宅で、自立した日常生活を送りたい等)を支援する生活回復の仕組みがある
  • 利用者様の声に寄り添い、ニーズを満たす経営策を持つ
  • 利用者様が孤立せず、常に交流が図れる業務体制がある
  • 経営安定のための営業をしっかりやる

開業・独立するには

計画的に黒字化する方法

FC(フランチャイズ)加盟

 介護事業独立開業起業で比較的多いのはFC加盟検討です。加盟店がロイヤリティーを支払い、フランチャイズ本部がもつブランド力・経営ノウハウを提供して開業する手法です。同業他社の事業説明会に参加して情報収集が必須です。

専門家に任せる

 介護事業に関する法令・法律・制度が数多くあり、税務知識・社会保険・労働保険の知識なども含めて、必要な業務を専門家に任せ、自分は介護事業に集中することです。これらは、戦略プラン体制に基づいているため、開業までの見通しが明確に見込める手法です。

デイサービス開設の流れ

開業前準備

 やり続ける理由がその場所にあるのか?を考えることが開業する地域を位置づける上で、最も大切なことです。そして、その地域に競合となるデイサービスは、どれくらいあるのか?要介護(要支援)認定を受けている人はどれくらいなのか、把握、分析する必要があります。また、開業した初月から利用者・従業員の稼働率が100%あつまるとは思わず立ち上げ期間から事業が安定するまでの数か月、余裕を持った運転資金を用意しておくことをおススメします。

商圏分析/市場調査

出店候補地の実態調査とデイサービス供給率・利用者の利便性を把握し、競合の施設・事業の規模や基礎データを考慮してデイサービスの立地(開業地・開局地・物件)を選定する必要があります。

事業収支&資金借入&資金調達

 介護保険事業者の指定申請や金融機関借入、初期費用・リース時に欠かせない事業収支を作成します。補助金・助成金、日本政策金融公庫の融資制度・医療介護ファクタリングサービス、返済不要な制度、開業してからのサービスとして早期入金サービス(リルタ)などがあり、資金計画・キャッシュフローを考えるときの参考にしてみてください。また、一概には言えませんが、社会福祉法人は優遇措置(非課税措置)を受けられる場合があり、社会福祉法人・NPO法人・一般社団法人は信用度が高いメリットがあります。ただし、居宅介護事業を社会福祉法人で行う場合は、資産要件で1,000万円以上の基本財産を有するなどの条件があり、厳しい条件が課せられます。更に理事6名、監事2名以上が必要です。代表理事・監事・など必要な人員の確保・設立まで時間がかるということがあります。

法人設立

介護保険事業は原則として法人のみ運営できるため、法人形態(営利・非営利・NPO法人や株式会社・合同会社・合名会社など)・定款(介護保険法に基づく居宅サービス)・資本金を決めて設立・登記が必須になります。

建築設計・施工

建築・内装プラン&設計・施工

 介護保険事業の指定基準や建築基準法・防火設備等を満たすプランを作成(機能訓練室・調理室など)し、物件の選定を行います。近隣含めて、段差なく送迎車を入口付近に停車できる物件であることも考慮します。例えば、民家および古民家を改修して活用できる場合もありますので、多角的に検討が必要です。更に、集客のしやすさや競合の有無など立地も大切です。(店舗により、内外装工事費が高く付いてしまう場合もあります。)
※店舗モデル例(約30坪/20名定員×2回転/1日40名)

介護保険指定申請・許認可

 介護保険事業者になるには都道府県の事業者指定・審査・許可が必要です。行政より許認可が下りないとオープンできません。事前協議から申請迄、書類作成、提出・指定を目指します。

人員募集

 人員が不足すると開設できないので、事業者指定に定められた理学療法士・看護師・生活相談員の採用をします。

営業活動&営業ツール

 事業所データリストを使っての営業訪問や内覧会、見学会の開催で、戦略的に求人、利用者取得のため、折込・チラシ募集やポップ(pop)作り、パンフレット、インターネットホームページ作成等あらゆる宣伝・販促提案を行います。このように、業種の垣根を超えて様々な媒体(ツール)を活用し、確かな利益が見込める営業・宣伝をおススメします。

運営・営業開始

 就業規則や社内規定の作成のほか、従業員を雇用するには、契約書などの書類の作成・提出も必要になります。また、スムーズに運営を行うために、感染予防策(防護具の手配等)・リスク管理・各自の役割をガイドライン化しておくことも重要です。

 実地指導:開業後には、行政の実地指導があります。事前に内容を把握しておきましょう。適切な運営がなされていないと減算になることもあります。

経営者、管理者、介護職研修&契約書他、運営書類の提出

 サービス業のプロとしての研修が必要です。就業規則・運営規則や重要事項説明書・利用者契約書の整備、通所介護に必要な書類の整備等、ヒアリハットなど不測の事態へのルール作りが必要です。様々な疾患(脳血管・整形疾患・廃用症候群・認知症)への対応ルール、介護ソフトの導入(※カイポケモバイル等)、福利厚生(夏季休暇・有休消化制度など)を常に考えておく。

※カイポケモバイルとは… カイポケでは、書類作成に必要な情報提供、商圏調査・指定申請・什器調達などのデータの連携・国保連請求や利用者請求も自動作成できます。

経理・労務手続き&助成金申請&口座開設

 介護保険報酬の申請方法や一般経理・雑費、労務関連としては多職種共同で、作成が必要です。給与計算・雇用保険・社会保険・社会保障申請手続き、役所とのやり取り等も必要です。介護保険助成金や地域の奨励金等提案できる助成金・補助金・介護給付費の申請を専門家(行政書士)に依頼・申請代行できます。また、リハビリ機器費・送迎車の車両費等のお金の管理も考え、ガソリン給油カード・リコーリース・車両リース(車いす対応)などのリース会社の利用・口座振替・融資返済・税金など支出管理も重要ポイントです。

 また、介護保険報酬は3年に1度、改定があります。その結果、加算・減算などにより、経営に大きな影響を与える場合もあります。厚生労働省から情報が出てきますので、改定に備え、事前に情報収集をしておきましょう。

 そして、サービス開始と共に発生する利用者から頂く介護利用料。金銭のトラブルを避けるためにもご利用者からの回収は口座振替サービスがおススメ。

地域連携

 利用者獲得のためには、まずケアマネージャーに周知してもらうことが必須です。また福祉用具専門相談員(福祉用具の選定援助、貸与(手すり・昇降機等レンタル))など地域の事業所団体との連携が必須です。

デイサービスの指定基準を満たすことが必須(参考)

法人格があること

 介護保険のデイサービス(通所介護)の指定事業者になるためには、法人格を持っていることが必要です。

人員基準

 人員基準では、事業所に配置すべき職種ごとに人数が決まっており、運営をおこなう管理者のほか、看護師や介護職員などがそれぞれ1名以上必要になります。利用者の人数によっても必要となる職種や人員が異なります。地域によっては兼務が認められることもあるため、自治体へ事前確認することをおすすめします。

利用定員が10人を超える場合

  1. 管理者:常勤の管理者1人以上。
    看護師や介護福祉士などの資格は特に必要ありません。しかし、施設の代表者として、ご利用者、ご家族、ケアマネージャーとの連絡や来客対応も多くあるため、介護保険の知識があり、実務経験の能力を持った人が求められます。
  2. 従業者
    • 生活相談員:社会福祉士、社会福祉主事任用資格・精神保健福祉士のいずれかの職種・国家資格をもった人を1人以上。
    • 看護職員:看護師、准看護師のいずれかの国家資格をもった人を1名以上。
    • 介護職員:資格要件はありません。
      利用定員が15人までは専従1名以上、15人を超える場合は5名またはその端数が増えるごとに1を加えた数以上が必要です。
    • 機能訓練指導員
      理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、准看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師のいずれかの職種・国家資格をもった人を1人以上
    1、2の条件を満たす場合は、当該事業所の他の単位における介護職員として従事することができる。

【注意事項】
生活相談員または介護職員のうち1人以上は常勤であること。

設備基準

 通所介護の設備基準として、専ら指定通所介護の事業の必要な面積を有するものでなければなりません。以下に従い、必要な場合は建物の内外装工事・改装(バリアフリー化)を行う必要があります。

  1. 食事スペース・食堂及び機能訓練室
    食堂と機能訓練室の合計面積が(利用定員)×3平方メートル以上の広さであること。(3平方メートルに利用定員を乗じた面積以上)環境衛生に配慮した設備。
  2. 静養室:静養室専用のベッドを設置する。
    自治体によっては、複数の人が同時に使用できるようにベッドを2台設置するよう求める自治体もある。専用の部屋を確保すること。
  3. 相談室:相談室:遮へい物設置など利用者やそのご家族との面談や相談の場として使用するため内容が、漏えいしないよう個別的空間に配慮されていること。
  4. 事務室:机や鍵のかかる棚、引き出しや備品などを配置し、職員、設備備品を配置できる広さ
  5. 便所・車いす用便所:介助を要する者の使用に適した構造・設備とすること
  6. 浴室:入浴介助を行なう場合は、手すり等を設置し、利用者の利便・安全に配慮し、介助浴を基本とする
  7. 処遇スペース:(食堂・機能訓練室、静養室、相談室)に関しては、同一階に配置すること
  8. その他法令確認・情報収集:都道府県・市町村の建築課や消防署・法務局で建築基準法や消防法(防火対象物使用開始届)・都市計画法・介護保険法への適合確認・届出を行うこと

運営に関する基準

主な項目は以下の通りです。

  • 通所介護計画を作成しなければならない。
  • 従業員の勤務体制を定めておかなければならない。
  • 利用定員を超えてサービスの提供を行なってはならない。

他のデイサービスの形態

発達障害児童向けの放課後デイサービス

 障害児の受け入れをする放課後等デイサービスなどもあります。放課後等デイサービスは、障害のある就学児向けの福祉サービスです。

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

 パーソン・センタード・ケアを大切にしながら、認知症高齢者が5~9人、日常生活の介護を受けられる入所型のグループホームです。認知症の進行状況も軽度~重度と幅広く、個別に合わせたサービス内容で、症状の進行を遅らせ、できるだけ自立した生活が送れることを目的としたサービス。

療養通所介護

 居宅サービスの一つである通所サービス。利用者のかかりつけ病院の主治医と連携の元、療養サポート(食事・排泄・入浴など)しながら、社会的孤立感を解消し、心身機能の維持、利用者とそのご家族のレスパイト(精神的、身体的負担の軽減)を目的としたサービス。訪問介護と併設されている場合も多く、その場合看護師は、訪問看護と兼務することになります。しかし、職員の1名以上は専従の看護師を配置する必要があります。

地域密着型特別養護老人ホーム

 定員が29名以下の特別養護老人ホーム。入所している利用者に対して、入浴・排泄・食事等の日常生活動作の世話・身体機能を維持するための機能訓練・口腔機能向上サービスを行います。

デイサービス開業をオススメする3つの理由

 介護事業の中で、デイサービスの開業を検討している方に向け、開業をオススメする理由を3つ紹介します。

デイサービス開業をオススメする3つの理由

デイサービス開業で失敗することはあるの?

 高齢化社会が進む今、新規参入を考えている方で、介護事業の中でもデイサービスは比較的開業がしやすいですが、失敗しないためにどのような点に注意するべきか紹介します。

デイサービス開業で失敗することはあるの?

デイサービス開業後、多店舗化が必須?!

 自分のお店を開業し、1号店が軌道に乗ってくると、店舗を増やし、より多くの人々に自分のサービスを提供したい、という考えが店舗ビジネスのオーナーには当然出てくると思います。デイサービスを開業し、多店舗化することで、事業上、多くのメリットを享受できます。多店舗化の重要性について紹介します。

デイサービス開業後、多店舗化が必須?!

最後に

当社のデイサービスは全国にフランチャイズ展開をしていますので、介護・デイサービス運営にご興味をお持ちの方は是非、下記までご連絡、ご相談ください。

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