将来なりたい職業として人気の理学療法士の資格について

 ここでは学生が将来なりたい職業として人気の高い理学療法士の資格についての説明や資格をとることでどんなメリットがあるのか、資格をとるための手順や養成校を卒業するまでの大変なポイントなどについて解説します。

理学療法士の資格ってどんな資格?

 理学療法士の資格は国が法律で定めた国家資格で、大学や専門学校などの養成学校に3年以上通い、国家試験に合格することで取得できます。国家資格は資格の中でも最も信頼度の高い資格です。

医療資格

理学療法士が語る!理学療法士の資格をとることへのメリット

100%やりがいを感じます!

 理学療法士は体の機能について深く勉強をし、患者さんがご病気で不自由になった体の障害に対して、回復を促すためにリハビリの仕事を行います。ではどんなところにやりがいを感じるのでしょうか。

1. とにかく奥が深い

 理学療法士は体のことを勉強しますが、みなさんでなじみ深いのは筋肉や関節かなと思います。この筋肉や関節がいくつあるかご存じでしょうか??筋肉は400個、関節は200個程度あり、これが組み合わさって動きになります。「そんなにあるの!?」と思った方もいると思いますが、これが組み合わさって動きになります。患者さんが悪くなった部位を、こういった体の知識をもとに分析していきます。

たくさんの体の情報から分析していくと「え!これが原因だったの!?」という場面が治療しているとたくさん訪れます!苦労して分析した結果、患者さんの悪いところがわかり治療がうまくいく達成感充実感で満たされます!また学べば学ぶほど人間ってこんな構造なの!?といったような人間の神秘に触れるような驚きが待っています。

人体の神秘

2. 歩けなくなった人が歩いた!?

 病気で体が動けなくなった状態でリハビリを頑張るのは本当に大変なことです。もう医師から歩けないといわれている人が、リハビリを頑張ることで歩くんです!この奇跡的な場面に立ち会えることだけでも理学療法士になる意味があります!病気に負けずあきらめずに患者様と一緒に頑張る時間もかけがえのないものです。

歩いた写真

就職先が多く安定!

 日本では高齢化が急速に進み、今後もますます進むことでリハビリが必要な方が増えています。高齢化は2025年には人口の18.1%75歳以上の高齢者になり今後、医療・福祉サービス従事者は、高齢者をいかに住み慣れた地域・自宅で生活させられるか、社会生活に適応させられるかが求められます。そのため医療施設や介護施設への理学療法士の需要は高いといえます。

最前線でリハビリ

働き方が多岐に渡る

 専門学校や短大、大学を卒業し国家試験に合格したら理学療法士が活躍できる場所は多岐にわたります!

  1. 病院、診療所、クリニックなどの医療機関
  2. 老人保健施設、デイサービス、訪問リハビリなどの介護施設
  3. スポーツ機関
  4. 教育機関
  5. 独立・開業・起業する道

 理学療法士はたくさんの働き方があります。「私はスポーツトレーナーになりたい!」と思った方はスポーツ機関を目指せばいいですし、「わたしは教えることが好き!」と思った方は理学療法士をしながら、ゆくゆく学校の先生を視野にいれるなど、自分でやりたいことを選択できるというのは大きなメリットではないでしょうか!

病院

自分の大切な家族やパートナーの体を護れる!

 理学療法士は身体をみる専門家のため、患者様だけではなく、自分の大切な存在である家族やパートナー、子供などの身近な人の障害や異変に気付くことができます。自分の大切な人を他人任せにせずに専門的に護ることができます!

家族

晴れて理学療法士になるまでの流れ

  1. 理学療法士の養成校に入学する
  2. 養成校で臨床実習、卒業試験を受ける、合格する
  3. 国家試験を受け合格する
  4. 晴れて理学療法士となる!
  5. 大きく流れとしては4つに分かれます。この流れの中で大変となるポイントは臨床実習国家試験です。養成校を卒業するまでに大変なポイントとして下記に解説します。

養成校を卒業するために知っておきたい大変なポイント

①臨床実習について

 養成校を無事卒業するまでにまず第一関門として実習があります。実習先は概ね成績や授業態度、コミュニケーション能力、出身地などの様々な視点から学校の先生が決定します。中には一人暮らしになることもあり、実習先に通いながら、自炊することなどが必要となります。

 実習先ではとても優しく丁寧に教えてくださるところから、とても厳しく指導を受けるところまで様々であり、バイザーとなる個々の先生の考え方や性格、実習先の文化的な要素が大きいと思われます。

実習で行うこととしては大きく3つあります。

1.デイリー(一日を通して見学した患者様などの記録)

2.症例レポート(患者様のご病気、怪我の評価に基づく推論、治療結果など)

3.症例発表(症例レポートに基づき発表)

臨床実習の期間

 臨床実習の期間は以前は8週間が多かったですが、現在は実習期間が短くなり4週間~6週間の期間で実習を行っている学校が多いようです。実際に入院している患者さんや施設に入所している利用者様を担当するため、緊張感を持って現実の仕事に近い体験ができます。

例:4週間での流れ

1.初期評価(計測技術を確かめながら患者様の体を評価し、評価に基づく治療プログラム、リハビリの目標を計画します):約1週間


2.中間評価(初期評価に基づき、治療プログラムを実施し、治療した反応の評価や疾患の病状の経過を評価します):約1~2週間


3.最終評価(中間評価に引き続き、治療プログラムを実施し、リハビリの目標を達成できたか評価をします):約1週間

というスケジュールで実施します。

臨床実習は大変!?

課題が多い!?

 実習先から出される課題の量が多く、辛いという方が多いようです。課題はもともとその実習先で行うとされていますが、2017年の厚生労働省のアンケートでは76.2%の学生が毎日家に課題を持ち帰って行っていたと回答されています。課題の量が適量だったという学生はたった約6%しかおらず、課題の量に対して不満を持っている人が多いとされています。以前はレポートの量が50枚、中には100枚といっている生徒もおり、このレポートに加えて調べ物などの課題がでていたなど課題量が多いところで辛さを感じていた生徒が数多くいたようです。

課題

スケジュールに追われる・・

 実習の中で初期評価や中間評価、最終評価などの概ねのスケジュールが決まっているので、患者さんの評価が全て終わっていない推論が立てらていない治療が進んでいないレポートが進んでいない、などがあるとスケジュールに追われることでさらに精神的に追い込まれ、辛くなることが多いとされています。

スケジュール

バイザーとの関係性が辛い・・

 実習先での多くは指導者が2人つき、スーパーバイザー(SV)、ケースバイザー(CV)という指導者がつきます。同じ指導者ですが関わる役割が少し異なります。スーパーバイザーは実習中の接遇から学校のやり取り、患者さんへの評価・治療の指導のすべてを担います。またケースバイザーは症例の評価・治療のところのみの指導を行うという点で違いがあります。

 バイザーとの関係性で悩むのは主にスーパーバイザーとの関係性です。実習先の指導者と良好な人間関係が築けていれば4週間、6週間の実習も苦ではありませんが、厳しい指導者にあたると患者さんへの治療の立て方や、目標の立て方、接遇の点でで至らない部分を強く言われてしまうことが多く、精神的に追い込まれると感じる生徒が多いようです。精一杯努力しても中には指導者からパワハラや受けた経験があったという人もいるそうなので、そういった被害を受けた場合は必ず養成校の担当の先生に相談するようにしましょう。

バイザーとの関係が辛い

実習内容は改善されている?

 これまで、理学療法士の臨床実習中に指導者と学生とのトラブルが相次ぎ、ニュースになったことがありました。そこで、2017年から厚生労働省は理学療法士の臨床実習の在り方を考え直し、より質の良い理学療法士を育成するためにカリキュラム等の見直しを行っています。また、実習指導者の質向上のためにも実習指導者の要件は免許を受けてから3年以上勤務した者となっていましたが、これを5年以上に引き上げ、さらに指定講習会を受けた者とするという改善案が出されています。また課題の量についてはを自宅に課題を持ち帰って行っていたという学生が多かったことから、実習時間外の学習については時間制限が設けられるとされています。

実習は改善されている

②国家試験について

 実習が終了し無事卒業がみえてくると第二関門として国家試験が立ちはだかります。合格率をみると最近の理学療法士国家試験の平均的な合格率は70%で、また90%を超えた年もあります。数字だけを見ると「国家試験だけど簡単そう!」と思いがちです・・・しかし出題範囲が広く内容はとても専門的で決して簡単な試験というわけではありません。時間をかけてしっかり勉強しなければ、国家資格を手に入れること、苦手分野が多い方ほど苦労するといえるでしょう。まずは試験科目をご紹介いたいます。

試験科目について

【一般問題】

解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む。)、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び理学療法

【実地問題】

運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び理学療法


とこれほどの試験科目があり、臨床実習3期が終了するとその後の時間はすべて国家試験の対策として勉学に励みます。

出題数について

 マークシートによる選択式であり一般問題160問、実地問題40問の合計200問とボリュームがあります。午前と午後に100問ずつを2時間40分かけて解答するので丸一日がかりの試験となります。

国家試験で注意するポイント

 多くは一般問題では点数は取れていることが多く、間違えると怖いのは実地問題の方です。実地問題は臨床に即した問題が多く、教科書で覚えたからと言って必ずできる問題ではありません。しっかり臨床の現場を想像し考察して解く問題で応用力が必要となる問題です。また一問3点と一般問題より高く、精神的的にプレッシャーもかかる問題となっています。この実地問題で悩みすぎて後の問題に手が付けられなかったという声も聞いたことがあります。解けない問題にずっと時間をとられないよう区切りをつけ、全ての問題を解くという意識で望みましょう。養成校で国家試験の模試を必ず実施しますので、試験の時間配分をしっかり体でつかみ本番に望みましょう。

合格ラインは?

・総得点   165点以上/274点

・実地問題  40点以上/114点

全体の出題数の6割を解くと合格ラインにのりますので、少しでも多くの問題を解き、見事合格を手にしてください!

 

学校選びについて

 理学療法士の学校について、養成校の種類、3年制・4年制カリキュラムについて、学校を選ぶ際の注意点などを解説していますので詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。

理学療法士の学校はこちら

理学療法士の学校

養成校の一覧

【日本理学療法士協会ホームページ (養成校一覧)】

http://www.japanpt.or.jp

 2019年の理学療法士の養成校の一覧が日本理学療法士協会のHPにのっていますので是非、理学療法士という資格に興味をもたれた際には参考にしてください。

  

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